数学の知識
投稿日時:2015-09-14 11:20:43
「社会に出てから数学の知識なんて役に立ったことがない」という言葉を、よく耳にすることがあります。確かに、数学の複雑な計算をしなければいけない仕事は、専門職以外ほとんどないでしょう。だから、数学の計算式なんて、学校のテストのためだけのものだと、多くの人が思っていることと思います。
しかし、それは数学の知識を表面的に捉えてしまっているだけです。数学の知識は、実は生活に大いに応用できるんです。思い出してください、よく数学のテストで計算問題の他に、図の入った問題というのがありましたよね。あれこそが、数学を実用的に捉えたものといえます。
例えば、中学・高校の頃に、三平方の定理というのを勉強したと思います。直角二等辺三角形の辺の長さが「1:1:ルート2」になるとかいうアレです。よく図の問題では、三角形が川とか道に例えられていたりしていて、最短経路を求める問題などになっていたりしますね。実は、この問題をちょっとだけ変えれば、生活のある場面に役立てることができます。
例えば、いま、自分の横に道路があって、少し進んだ先に横断歩道が、横断歩道を渡った先に目的地があるとします。あなたは、どのようにすすめば、最短で目的地につくことができるでしょうか?...答えは、現在地から目的地まで、斜めに道路を突っ切ることです。直角に接する二辺の合計と、直角に向かい合う一辺は「x:ルートx」の関係にあります。また、xが正の数の場合、「x≧ルートx」は常になりたちますから、斜めに行ったほうが近く、まっすぐ行ってから曲がったほうが遠回りになると言えます。
ただし、道路を斜めに突き進むなんて、危ないので普通しませんよね。でも、道路をまっすぐ突っ切って、それから目的地に行こうとする人はたくさんいます。リスクを犯してでも、近道したいという人がたくさんいるのです。
しかし考えてみてください。仮に道路をまっすぐ渡って、それから曲がって目的地に向かったとしても、果たして近道になるでしょうか。答えはNoです。距離的には、まっすぐ行ってから道路を渡るのと全く変わりありません。違いがあるとすれば、横断歩道があるかどうかくらいのものでしょう。しかしこれも、横断歩道が青であったなら、全く変わりません。また、信号を待つことになったとしても、平均時間で30秒~90秒くらいのものです。
横断歩道を渡らず、道路を横切る人は、あるかないかも分からない微小なリスクを回避するために、わざわざ車に轢かれるかもしれない命のリスクを毎日犯しているんです。そう考えると、道路を横切ろうとすることが如何にバカバカしいことであるか分かります。数学は、このように、答えの出ない毎日の問題に明確な指針を与えてくれるんです。
そして今日、たった、これだけの問題で、数学は私たちに大切なことを教えてくれました。道路は渡らず、交通ルールはしっかり守りましょうってことです。
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